やわらかな肌ざわりと光沢感で人気のある再生繊維(セルロース系)は、おしゃれ着としても多く使われています。
しかし、洗濯方法を間違えると縮みや型崩れの原因になります。
今回、再生繊維の基礎知識から、家庭でできる正しい洗濯方法、干し方、注意点までを解説します。
目次
再生繊維(セルロース系)とは
再生繊維とは、木材パルプや綿などの天然素材から取り出したセルロースを化学的に再加工して作られる繊維です。
植物由来のため環境にやさしく、しなやかな風合いが特徴です。
主な再生繊維の種類
- レーヨン(rayon)
- モダール(modal)
- リヨセル(lyocell、商品名:テンセル)
- キュプラ(cupro)
再生繊維のメリットと注意点
メリット | デメリット |
---|---|
吸湿性・通気性が高い | 水や摩擦に弱い |
柔らかく肌ざわりが良い | 縮みやすい |
自然な光沢感がある | 型崩れしやすい |
再生繊維(セルロース)
再生繊維(セルロース)は計画植林された木材パルプを原料とした自然にやさしい繊維です。リヨセルやテンセルとも呼ばれています。
持続可能な方法で調達した天然木材を主原料として、環境に配慮したプロセスで生産されています。その品質のみならずサスティナブルな生産方法にも注目が集まり、様々なブランドで利用されています。
再生繊維(セルロース系)の洗濯方法
セルロース系再生繊維はデリケートな素材のため、洗濯には注意が必要です。
1. 洗濯表示を確認する
まずは洋服のタグにある洗濯表示をチェックしましょう。
- 「手洗い」マークがある場合:家庭でやさしく洗濯可能
- 「洗濯機OK」の表示:条件付きで洗濯機使用可能
- 「ドライクリーニング」マークのみの場合:基本的には家庭洗濯不可
2. 手洗いが基本
セルロース系素材は摩擦や水に弱いため、やさしく洗える手洗いが最適です。
〇手洗いの手順
- 30℃以下のぬるま湯を洗面器に用意
- 中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)を使用
- 洋服を入れて押し洗い(もみ洗いやねじり洗いは避ける)
- 洗剤が残らないよう軽くすすぐ
- タオルで水気を吸い取り、形を整えて干す
3. 洗濯機で洗う場合の注意点
洗濯機を使う場合は以下の条件を守りましょう。
- 洗濯ネットに入れる
- おしゃれ着コースやドライコースを使用
- 中性洗剤を使う
- 脱水は短時間(30秒〜1分)にとどめる
再生繊維(セルロース系):干し方のポイント
再生繊維は干し方にも工夫が必要です。
- 直射日光を避け、風通しの良い日陰での吊り干しが基本
- ハンガーは肩幅に合ったものを使用し、型崩れを防ぐ
- 重みで伸びやすい素材(特にニット調のもの)は平干しが適している
再生繊維(セルロース系):アイロンをかける場合
アイロンを使用する際は、以下の点に注意してください。
- 表示で「アイロン可」となっているか確認
- 中温以下で当て布を使用
- 蒸気(スチーム)は素材によって使い分ける
再生繊維 洗濯時の4つのNG行動
NG行動 | 理由 |
---|---|
熱いお湯で洗う | 繊維が縮む原因になる |
もみ洗いやねじり脱水 | 型崩れや繊維ダメージにつながる |
乾燥機の使用 | 高温による収縮や変形の恐れ |
直射日光での乾燥 | 色あせや繊維の劣化を引き起こす |
まとめ:再生繊維(セルロース系)の洗濯方法
再生繊維(セルロース系)は、自然な風合いと快適な着心地が魅力の素材ですが、洗濯にはコツが必要です。
「中性洗剤でやさしく洗う」「脱水と干し方に気をつける」この2点を守るだけで、お気に入りの洋服を長く美しく保つことができます。
正しい洗濯方法を習慣にして、再生繊維の魅力を最大限に引き出しましょう。