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バイオトイレのデメリットとは?

「水がいらない」「環境に優しい」と注目されているバイオトイレ

キャンプ場や山小屋、災害対策など、さまざまな場面で導入が進んでいます。

でも、「メンテナンスが大変って聞いたけど本当?」「臭いは大丈夫?」など、導入前に気になるポイントもありますよね。

この記事では、バイオトイレの基本的な仕組みから、実際に使ってわかったデメリットまで解説していきます。

バイオトイレとは?

水を使わず排泄物を分解

バイオトイレは、微生物の力で排泄物を分解・処理するトイレです。

水を使わず、木くずやおがくずなどの「バイオ材」の中で微生物が働き、においや汚物を分解してくれます。

使用場所は主に屋外

  • 山小屋や登山道
  • キャンプ場
  • 災害用仮設トイレ
  • イベント会場

など、水道が通っていない場所で活躍しています。

バイオトイレは水ではなく、おがくずを使って排せつ物を処理します。排せつ物はおがくずに含まれる微生物の力で分解されます。

出典:NHK北海道>【旭川発】水を使わないバイオトイレでトイレ問題 解決目指す

バイオトイレのデメリット4選

バイオトイレのデメリット①: メンテナンスに手間がかかる

バイオトイレは「設置すればOK」というものではありません。

定期的にメンテナンス作業が必要です。

  • おがくずの補充や攪拌(かくはん)
  • 分解できなかった固形物の除去
  • タンクの清掃
  • 排気ファンの点検・交換

特に利用者が多い施設では、頻繁な管理が求められます。

バイオトイレのデメリット②:におい対策が必要な場合もある

「臭くない」と言われがちですが、正しく管理されていない場合は臭いが発生することも。

原因としては…

  • 微生物の働きが弱っている(乾燥・温度変化など)
  • 攪拌不足で分解が進まない
  • 通気・排気システムの不備

におい対策のために、電源が必要なタイプも多く、完全オフグリッドとは言えないのが実情です。

バイオトイレのデメリット③:導入コストが高め

簡易トイレと比べると、バイオトイレの本体価格は20万〜100万円以上と高額。

設置場所によっては、追加費用も発生します。

  • 電源・換気設備の工事
  • バイオ材の購入費用
  • 点検やメンテナンスの人件費

長期的にはメリットがあるとしても、初期費用がネックになるケースもあります。

バイオトイレのデメリット④:寒冷地では性能が落ちやすい

微生物は一定の温度(20〜40℃)で活発に働くため、冬場の寒冷地では分解スピードが落ちてしまいます。

その結果、

  • 臭いが出やすくなる
  • 分解しきれない汚物が残る
  • トイレ内の環境が悪化する

といった問題が発生しやすくなります。

ヒーター付きモデルもありますが、電力が必要になるため注意が必要です。

導入を考える上でのチェックポイント

導入前に以下を確認しましょう。

  • 設置場所に電源はあるか?
  • 誰がメンテナンスを担当するか?
  • 冬場の気温はどれくらいか?
  • 初期費用とランニングコストのバランス

「環境にやさしい」だけで導入を決めると、あとで後悔するかもしれません。

バイオトイレが向いているケース・向かないケース

向いているケース

  • 利用者が少なく、管理しやすい場所
  • 通年温暖な地域
  • 環境保全が優先される自然エリア

向かないケース

  • 電源が確保できない
  • 寒冷地・高山地帯
  • 管理者が常駐していない施設

まとめ:バイオトイレのデメリットを理解して導入

バイオトイレは環境にやさしく、水のいらない画期的なトイレですが、「手間ゼロ」ではありません

  • メンテナンスが必要
  • 臭いが出ることもある
  • 初期費用が高め
  • 冬場に弱い

というデメリットもしっかり理解した上で、導入を検討しましょう。

  • この記事を書いた人

ウェルビー

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